投稿日:2026.09.07 最終更新日:2026.09.07
1階で完結する間取り5選|将来の寝室と2階の使い方を比較
「将来は平屋のように、階段を使わず1階だけで暮らしたい。
でも、今の子育てに必要な部屋数や収納を考えると、2階建ても捨てきれない」
そんな迷いを抱えている方も多いと思います。
今回は、サンワ開発の豊富な間取りの中から、将来1階だけで暮らせるかどうかを基準に、2階建てを5つ選びました。
どれも1階に、将来の寝室にできる和室や洋和室があります。
ただ、居室の独立性やLDKとのつながり、家事のしやすさ、収納量は、間取りごとに違います。
平屋か2階建てかを先に決めるよりも、「家族が1階に何を求めるか」という視点で比べるほうが選びやすくなります。
どんな違いがあるのか、順番に見ていきましょう。
- 平屋と2階建ての1階完結型を選び分ける視点
- 将来の寝室にできる1階居室の見分け方
- 5つの間取りの1階居室・LDK・家事空間・収納の違い
- 希望から近いプランを見つける手がかり
- 2階に残す部屋と、見学や打ち合わせで確認したい項目
目次
平屋と2階建てで迷ったら?「1階完結型」の間取りを選ぶ基準

今回紹介する5つは、すべて2階建てです。今必要な子ども部屋や寝室は2階に置きながら、将来は1階の和室や洋和室を寝室にできる余地を残しています。
平屋と比較するときは、建物の階数だけでなく「今と将来で、どの機能をどの階に置きたいか」を考える必要があります。また、1階に置きたい部屋が敷地に納まるかは、土地の広さだけでは決まりません。
2階に子ども部屋や収納を残しつつ、将来の寝室を1階に確保する
1階に将来の寝室を用意しながら、今必要な個室や収納は2階にも持たせたい。そんな場合は、2階建ての「1階完結型」が比較候補になります。
反対に、生活に必要な機能を最初から同じ階にまとめたいなら、平屋のほうが希望に近いかもしれません。
5つに共通するのは、次の3点です。
- 1階に将来の寝室候補となる和室または洋和室がある
- 2階にも寝室や洋室があり、今必要な個室を残せる
- 老後は1階だけで生活できることを想定して設計されている
ただ、同じ想定といっても、思い描かれている暮らし方には幅があります。
設計資料を見ると、「生活を完結できる」「老後の生活も視野に」「夫婦で1階で生活」「寝室としても活用できる」と、書かれ方が少しずつ違います。
どのプランも同じ暮らしを保証するものではありません。自分たちが1階に求める機能と合っているかを確かめる材料としてご覧ください。
土地の広さだけでは決まらない。建ぺい率を調べ、希望の部屋数が納まるかを確認する
「1階を広くしたいけれど、この土地に納まるだろうか」と考えるとき、土地の面積だけでは判断できません。
敷地に対して建物を建てられる面積の割合を「建ぺい率」と呼びます。この上限は全国一律ではなく、その土地の用途地域や都市計画の指定によって、30%から80%まで細かく分かれています。
防火地域などの条件で緩和される場合もあり、同じ広さの土地でも実際に建てられる1階の広さは変わってきます。
また、国も住宅の広さについて目安を示しています。単身世帯の最低居住面積水準は25㎡以上とされ、今後供給を促す規模としては40㎡程度を上回る住宅が挙げられています。
そのため、敷地については以下の点を個別に確認してください。
- 土地の所在地と用途地域
- 指定されている建ぺい率
- 防火地域などによる緩和・制限
- 1階に置きたい居室・LDK・家事空間・収納
- 希望する部屋構成が敷地内に納まるか
今回紹介する間取りの延床面積は、あくまで「推定」です。
「〇坪あれば必ずこの家が建つ」という目安にはならないため、実際に建てられるかどうかは、ご自身の敷地条件と合わせて相談してください。
「1階で完結する間取り」5つを比較|どこに違いが出る?

共通しているのは、1階に将来の寝室にできる居室があることです。
違いが出るのは、次の4点です。
- 1階居室の広さと独立性:4.5帖から8帖まで幅があり、独立させるか、LDKとつなげるかも分かれる
- LDKの広さ:18帖から20.5帖まで
- 1階の家事空間:パントリー、ランドリールーム、土間収納の有無
- 来客時の使い方:来客用の部屋を分けるか、将来の寝室と兼ねるか
設計資料の書き方にも幅があります。「老後は1階で生活を完結できる」とされたものもあれば、「寝室としても活用できる」と書かれたものもあり、1階をどこまで生活の中心に据えるかが違います。
ただし、図面や資料だけでは、浴室とトイレの位置関係、ちょっとした段差、実際の家事動線までは分かりません。「1階だけで暮らせる」という言葉だけで判断せず、実際の使い勝手は確認項目として残しておきましょう。
なお、延床面積や価格は条件によって変わるため、比較項目には含めていません。
ここからは、独立した個室を重視する3つと、来客対応や家事空間に特徴がある2つに分けて見ていきます。
来客用ではなく「独立した個室」を1階に確保したいときの3つの間取り
来客との兼用ではなく、独立した居室を1階にしっかり確保したい。そんな場合に比較しやすいのが、次の3つです。
居室の広さだけでなく、LDKの広さ、中庭やパントリーの有無、2階の部屋数にも違いがあります。
中庭と独立和室の4LDK|独立洋和室6帖に中庭とリビング収納を組み合わせる

こんな家族向け:独立した和室を確保しつつ、中庭のゆとりと収納力も譲れないご家庭。
1階の独立洋和室6帖を将来の生活拠点にしながら、18帖のLDKや中庭スペース、リビング収納も欲しい。そんな希望に向いた4LDK+Sです。設計意図として「老後は1階で生活を完結できる独立和室プラン」と説明されています。
1階の構成には以下の特徴があります。
- 独立洋和室6帖と18帖のLDK
- 洗面脱衣3帖とリビングクローゼット
- 植栽を設けられる中庭スペース
1階には中庭とリビング収納があり、資料でもキッチンからの家事動線と収納量が特徴として挙げられています。
2階には洋室6帖が2室、寝室9帖、WICがあります。今の個室は2階に、将来の生活拠点は1階に。そんな考え方です。「和室をフローリングの洋室にしたい」「リビング収納を2帖のファミクロサイズに広げたい」といったカスタマイズ案もあります。
居室の独立性に加え、中庭や1階収納とのバランスを見たい方に向いています。
全居室南向き・独立和室の北玄関プラン|独立洋和室6帖と20帖のLDK、パントリーを両立

こんな家族向け:独立性を保ちながら、広いLDKとパントリーもしっかり確保したいご家庭。
独立洋和室6帖と20帖のLDKを両立させた、北玄関の4LDK+Sです。パントリーや全部屋南向きも重視したい方に向いています。
1階の構成には以下の特徴があります。
- 独立洋和室6帖と20帖のLDK
- 洗面脱衣3帖とパントリー
- 全部屋が南向きの設計
独立洋和室は「老後は1階で生活も視野に」と想定された空間です。初期案ではLDKから独立していますが、東側の壁を2本引き戸に変えて、リビング併設の洋和室にするカスタマイズ例もあります。独立させて使うか、リビングとつなげて広く使うか、両方を検討できます。
2階には洋室2室、寝室、WICが2か所あります。寝室のワークスペースをWICの拡張に充てる提案もあり、2階の収納を優先したい場合の参考になります。
6帖の独立居室と20帖の広いLDKに加えて、パントリーも欲しい。そんな希望がある方に向いています。
独立洋和室のある5LDKプラン|8帖の広い洋和室を確保し、2階の部屋数も残せる

こんな家族向け:1階の居室をできるだけ広く取りたいけれど、2階の部屋数も減らしたくないご家庭。
1階に8帖の洋和室を確保した5LDKで、夫婦が将来1階で暮らすことを想定して設計されています。2階にも複数の個室を残したいご家庭の比較候補になります。
1階の構成には以下の特徴があります。
- 洋和室8帖と19.2帖のLDK
- 床下収納
- 「老後は夫婦で1階で生活。老後を見越して1階を充実させた2階建て5LDKプラン」という設計意図
今回の5つの中で、1階の居室が最も広いのがこの8帖の洋和室です。
さらに2階には寝室8帖、洋室6帖が2室、洋室4.3帖、大型バルコニーがあり、今必要な個室の数もしっかり確保できます。「2階の洋間の壁をなくして一つの大きな部屋にする」「1階の洋和室のサイズを調整して減額する」といった変更案もあります。
広い1階の居室と、2階の部屋数。その両方を諦めたくない場合の候補になります。
客間兼用や家事空間の充実など、1階に求める役割が違う2つの間取り
残りの2つも、1階に将来の寝室にできる居室があります。ただ、先ほどの3つとは特徴が異なります。
一方は「今の客間を将来の寝室にも使う」設計、もう一方は「ランドリールームや土間収納などの家事空間を1階に集めた」設計です。
来客時も便利な客間の4LDKプラン|今は来客用、将来は寝室にする2way設計

こんな家族向け:来客対応と将来の寝室を、一つの部屋で無駄なく使い分けたいご家庭。
玄関ホールから直接入れる4.5帖の客間を、将来は寝室としても使う2way設計です。今の来客対応と将来の寝室を、一つの部屋で兼ねられます。
1階の構成には以下の特徴があります。
- 和室の客間4.5帖と20.2帖のLDK
- 洗面脱衣3帖、WIC、パントリー
- 部屋干しセット
設計資料では、この客間を「老後は寝室としても活用できる2way間取り」としています。今は来客用として使い、将来は夫婦の寝室にするというように、時間の経過に合わせて部屋の役割を変えていく想定です。洗面脱衣室にドアを追加して、ホールから直接出入りできるようにする変更例もあります。
2階は洋室2室、寝室、WIC、書斎という構成で、書斎をファミリークローゼットに変えて収納を増やす提案もあります。
はじめから独立した寝室を用意する形とは違い、一つの部屋を今と将来で使い分けたい場合に参考になります。
明るいLDKと大きな和室の一階完結型プラン|和室6帖と家事空間を1階に集める

こんな家族向け:将来の寝室に加えて、洗濯や収納などの家事空間も1階にまとめたいご家庭。
和室6帖と20.5帖のLDKに加え、ランドリールームと土間収納を1階に備えた4LDK+Sです。将来の寝室だけでなく、洗濯や玄関収納まで1階でまかないたい方の比較材料になります。
1階の構成には以下の特徴があります。
- 和室6帖と20.5帖のLDK
- 洗面脱衣3帖とランドリールーム
- 土間収納
設計資料では「老後は1階で生活を完結できるような間取り」と説明されており、洗濯をする空間や玄関収納といった「家事と片付け」の機能が1階に集まっています。
ただし、実際の洗濯動線や帰宅時の動線が使いやすいかどうかは、図面資料だけでは判断できません。相談時の確認事項として残しておきましょう。
2階は洋室2室、寝室、WIC、ファミリークローゼットという構成です。ダイニング南側にウッドデッキを付ける案や、和室を寝室に変え、1階にある6帖の部屋をファミリークローゼットにする提案も示されています。
1階に居室だけでなく、家事や収納の空間も持たせたい方の比較材料になります。
こんな希望があるなら、近いのはこのプラン

1階に何を最優先したいかで、候補は絞り込めます。気になるものは、実際の間取り図で確認してみてください。
| こんな希望があるなら | 近い間取り | 理由 |
|---|---|---|
| 独立した和室に加え、中庭のゆとりも欲しい | 中庭と独立和室の4LDK | 独立洋和室6帖に、中庭スペースとリビング収納が加わる |
| 独立性を保ちつつ、広いLDKとパントリーも欲しい | 全居室南向き・独立和室の北玄関プラン | 独立洋和室6帖と20帖LDK、パントリーを両立できる |
| 1階の居室を広く取りたいが、2階の部屋数も残したい | 独立洋和室のある5LDKプラン | 5つの中で最も広い8帖の洋和室に加え、2階にも4部屋ある |
| 来客対応と将来の寝室を同じ部屋でまかないたい | 来客時も便利な客間の4LDKプラン | 玄関から直接入れる客間を、将来は寝室に切り替えられる |
| 洗濯や玄関収納などの家事空間も1階に集めたい | 明るいLDKと大きな和室の一階完結型プラン | 和室6帖に加え、ランドリールームと土間収納が1階にある |
複数の項目に当てはまる場合は、「今の自分たちが一番譲れない条件」から順に絞り込んでみてください。
2階建ての「1階完結型」を選ぶとき、見学や打ち合わせで確認すべきことは?

確認したいことは、大きく2つあります。ひとつは、2階に残した部屋を将来どう使えるか。もうひとつは、浴室・トイレの位置関係や段差など、図面だけでは分からない点です。
ここまでの5つはすべて、寝室や洋室を2階に残した2階建てです。将来の1階での暮らしやすさに加え、今必要な個室や収納を2階でどう使うかも、間取り選びの大切なポイントになります。
2階に残した部屋は、家族の成長に合わせて用途変更できるか相談する
5つの2階構成と、資料で確認できる変更例をまとめました。
| 間取り | 一次資料で確認できる2階構成 | 一次資料にある用途・変更例 |
|---|---|---|
| 中庭と独立和室の4LDK | 洋室6帖×2、寝室9帖、WIC | 2階の用途変更例は記載なし |
| 全居室南向き・独立和室の北玄関プラン | 洋室×2、寝室、WIC×2 | 寝室のワークスペースをWICの拡張へ充てる提案 |
| 独立洋和室のある5LDKプラン | 寝室8帖、洋室6帖×2、洋室4.3帖、大型バルコニー | 2階洋間の壁をなくし、一つの大きな部屋にする提案 |
| 来客時も便利な客間の4LDKプラン | 洋室×2、寝室、WIC、書斎 | 書斎をファミリークローゼットへ変える提案 |
| 明るいLDKと大きな和室の一階完結型プラン | 洋室×2、寝室、WIC、ファミリークローゼット | 2階の用途変更例は記載なし |
ワークスペースを収納に変えたり、書斎をクローゼットに変えたり、2階の部屋をつなげたりと、家族の成長に合わせた提案が用意されています。
1階にも、和室を洋室に変える、収納を広げるなどの変更例があります。資料にない変更ができるかどうかは、家族構成の変化も踏まえて個別に相談してみてください。
浴室とトイレの位置関係や家事動線など、図面だけでは分からない5つの項目
気になるプランが見つかったら、記事や図面だけでは分からない部分を、見学や打ち合わせで実際に確かめましょう。
確認しておきたいのは次の5項目です。
- 浴室とトイレの位置関係:使いやすい場所にあるかどうかを、図面を見ながら担当者に聞く
- 段差と将来の移動経路:段差の有無や将来の歩きやすさを、現地や仕様で確かめる
- 洗濯・帰宅・収納の動線:設備の有無だけでなく、家族が動く順番で使いやすいかを見る
- 2階の用途変更:壁や設備を動かして、希望どおりに変えられるかを聞く
- 土地条件:建ぺい率や用途地域を調べ、希望する1階の広さが自分たちの敷地に納まるかを相談する
記事の中で断定していない項目こそ、実際の暮らしやすさや建てられるかどうかを左右します。
分からない点を質問に変えることで、間取りの比較が具体的な相談へと進んでいきます。
まとめ:1階に置きたい機能を整理し、希望に近い間取りから相談を始めよう
- 平屋との選び分けは、将来の寝室を1階へ置けるか、2階に残したい機能があるかで考える
- 5つの間取りは、1階居室・LDK・家事空間・収納・来客利用に違いがある
- 独立個室を重視する3つは、居室の広さやLDK、収納にそれぞれ特徴がある
- 客間兼用と家事空間重視では、1階に求める役割が違う
- 希望に近い候補を絞り込み、実際の間取り図で確かめる
- 2階の使い道と図面で分からない項目は、見学や打ち合わせで確認する
「将来は1階だけで暮らしたい」と考えたとき、平屋か2階建てかという建物の形だけで決める必要はありません。LDK、家事空間、収納をどこまで1階に置きたいかを見比べることで、2階建ても有力な選択肢になります。
今回紹介した5つは、どれも1階に将来の寝室にできる居室があります。ただ、独立した個室として使うか、来客用と兼用するか、ランドリールームや土間収納まで1階に持ってくるかなど、1階に持たせている役割はそれぞれ違います。
まずは「家族が1階に置きたいもの」を優先順に整理してみてください。
そのうえで、今必要な2階の部屋数や将来の変更も一緒に考えると、希望に近いプランが見つかるかもしれません。
気になる間取りがあれば、実際の使い勝手や土地条件など、記事では分からない部分を相談して確かめてみてください。

